【日本初の寝台バス】完全に横になれる「ソメイユプロフォン」に乗ってみた

その名も「Sommeil profond」(以下、ソメイユプロフォンと記載)。フランス語で 「 熟睡 」 を意味し、フルフラットシートで移動ができる夢みたいな夜行バスなんです。
当記事では、
- 1月30日に高知県で行われた記者会見と試乗会の様子
- モニター運行が開始され約2か月後の変化
をご紹介します!
目次
フルフラットシートの夜行バス「ソメイユプロフォン」とは?
フルフラットシートの夜行バス「ソメイユプロフォン」とは、高知ー東京TDR間を運行する最新型の夜行バスです。
最大の特徴はこの3つです。
①フラットシートで横になって移動ができる!
②座席タイプにも変更が可能
③安全対策万全で、寝ながら移動しても安心!
高知駅前観光の社長が、海外で”寝ながら移動できる夜行バス”に乗車したことをきっかけに、開発が始まったこのバス。
自社でも運行したいと構想を練り、実現までなんと30年近くかかったそう。
だからこそ色々なところに創意工夫が散りばめられています。
車内は、3列シートで、2段ベッド方式、最大で24名が乗車できます。
日本では、座席型シートでの運行が法律で義務づけられているので、日中は座席タイプ、夜はフラットシートタイプに変形可能です!
記者会見およびお披露目会の様子
運行開始前の1月30日、運行会社の「高知駅前観光」本社にて、記者会見とお披露目会がメディア・関係者向けに行われました。
記者会見では、「メイドインこうち」という言葉を使用し、高知の企業でこの座席を開発したという事がわかる内容でした。
乗車体験会では、実際に横になり、寝心地を体感。業界関係者も多数いらっしゃり、利用者目線で多くの意見が出ていました。
ちなみに、試乗会ではカーテンもなく、隣の方との寝顔が見えてしまうという状況。
ネットでも「プライバシーが心配」「ちょっと寝顔が見られて微妙かも」などと意見があったため、モニター運行開始後は上半身部にカーテンがある状態で運行されることになりました。
日本初の寝台バスだからこそ、利用者目線で今もなお改良が進んでいます。
こちらが改修後の様子。乗ってみたくなりましたか~?!
実際にソメイユプロフォンに乗ってみた!
というわけで、実際に「高知駅前観光本社」発の「ソメイユプロフォン」に乗車してきました!本当は初便を予約していましたが、関東地方で大雪の予想と重なり、発車数時間前に運休に……!!
そこから連日満席という大人気ぶり!あまりの人気に筆者が初めて乗車できたのは2ヶ月後でした。
せっかくなので実際の乗り心地とともに、”お披露目時”と”2カ月後”でどのような変化があったのか、調査していきたいと思います!
高知駅前観光本社(高知市桟橋)
↓
はりまや橋観光バスターミナル
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高知駅前
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徳島駅前
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新宿バスタ
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東京駅
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東京TDR(東京ディズニーリゾート)
今回は始発の「高知駅前観光本社(高知市桟橋)」から「東京TDR(東京ディズニーリゾート)」へ乗車してきました。
いざソメイユプロフォンに乗車!
「ソメイユプロフォン」は、高知駅前観光本社を始発として、「高知観光バスターミナル」「高知駅」「徳島駅」で乗客を乗せ、「バスタ新宿」と「東京駅」を経由し、終点の「東京TDR」へ向かいます。
―始発の高知駅前観光本社へ
今回は始発の高知駅前観光本社から乗車しました。
筆者は乗車30分ほど前に到着。事務所横が待合室として利用できました。
自動販売機もあり、飲み物を買っておくには最適です。
―実際にソメイユプロフォンの車内へ
定刻になったので、いざソメイユプロフォンに乗車!
入口にはスリッパ・耳せん・お手拭きシート・歯ブラシのアメニティが用意されています。
実際の車内の様子がこちら!
カーテンもあり、プライバシーも考慮され、乗ってみると思っている以上に個室感が生まれていました。秘密基地へ来たのではないかとワクワク感も生まれ、真新しさも感じる乗車体験でした。
ちなみに、車内は土足厳禁。
靴は用意されているビニール袋に入れて乗車します。高速バスで”素足”になるのは初めて。なんだかとてもリラックスできました。
上段の席の場合、靴は写真の丸印部分に入れます。
Wi-fiは、写真丸印の支柱にネットワーク名とパスワードが記載されています。実際に使用してみましたが、思ったより通信速度が速く快適でした。
―乗車するとわかる、今までにない快適さ
ソメイユプロフォンは途中、「高知駅」や「徳島駅」などに停車しますが、停まっているのか動いているのかわからないほど熟睡できました。実際、アナウンスがあるまで停留所に着いたことに気が付きませんでした。
乗車前は「揺れて寝れないんじゃないのかなぁ」と不安でしたが、いざ横になってみると、ハンモックに乗っているような感覚で、とても気持ちがいいです。
一般道走行中は「曲がっているなぁ」と感じましたが、高速道路では揺れも少なくぐっすり眠れました。
私の身長は165cm前後ですが、思ったより窮屈感もなく快適でしたよ。
ちなみに今回は、3列シートの真ん中・上段の席だったので車窓がなく残念でしたが、荷物置き場がないため、他の席よりも空間が広く開放的に感じました。
リラックスして過ごしたい方は真ん中・上段の席がおすすめです!
―淡路島南PAで深夜最後の休憩
ソメイユプロフォンは途中、SAとPAで休憩があります。
※通常の高知ー徳島間は、徳島道を経由し途中休憩もあります。ただしこの日は徳島道の夜間工事だったため、高松道経由となり、淡路島南PAまで休憩がありませんでした。
「淡路島南PA発車後は消灯する」というアナウンスもあり、就寝前に車外へ行く人も多かったです。
ちなみに、バス休憩の際は降車時にカードを渡され、全員戻ってきたか確認しています。
淡路島南PAを出たら、車内は消灯。本当にぐっすりでした。
―早朝、ぐっすり寝て足柄SAへ到着
早朝に足柄SAに到着しましたが、到着するまで起きることはありませんでした。
前日に淡路島南PAで休憩をしてから、大阪や名古屋などを通っていたと思うのですが、全然気づかずに睡眠をとることができました。
本当に快適な熟睡ができ、夜行バスでも満足度の高い睡眠をとることができました。
―終点のTDRへ到着
「新宿バスタ」や「東京駅」などを経由して、終点の「TDR」へ到着。午前8時前に着くので、四国からはるばるやってきても、十分に観光の時間が確保できるなと感じました。
多くの乗客が「新宿バスタ」や「東京駅」などで下車をしましたが、何組かはTDRへ行く目的だったようで、終点まで乗車していました。千葉周辺へいくなら、バスタ新宿で降りるのもいいですが、到着時間が早朝となるため身動きが取りづらいかもしれません。
いっそTDRまで乗車して、その分ゆっくり寝て過ごすのもありだと思いました。
初運行から2カ月。ソメイユプロフォンはどう変わった!?
現在運行されているソメイユプロフォンは、日本初の試みのため、モニター運行中。
そのため、品質向上アンケートを実施しています。このアンケートによって運行二ヶ月のあいだにも、多くのことが改善されました。
―寝心地はどう変わった?
実際試乗会の時は座席の上にマットもなく、これで東京まで行くのは少し不安でした。
しかし、運行開始後はマットに枕がセットになっています。気になる寝心地ですが、座席の上に枕とマット、毛布もついているため、快適感は抜群!高速バス特有のお尻の痛さ・腰の辛さは全く感じられませんでした。
「結局寝れないのでは?」と心配を持つ人もいると思いますが、思っていた以上に熟睡できました。下道では信号などで頻繁に停車しますが、高速道路ではほとんど止まらないので安眠できます。
筆者も淡路島PAを出てから足柄SAまでの区間は、一度も起きることなくぐっすりでした!
―プライバシー面はどう変わった?
プライバシー面も試乗会の時に比べ、大幅に向上しました。
運行前の報道では、カーテンありませんでしたが、プライバシー確保の声を受けて、上半身にカーテンが設けられました。
上半身部分にカーテンがあるので、「見られている」という感じはしませんでした。また予約の際に、上下は男女が混合にならないように振り分けされているので、女性でも安心して乗れると思います。
アンケートでもプライバシーに考慮されていると評価が出ているそうです。
―運行中の休憩や安全面はどう変わった?
運行開始当初は2時間おきに休憩がありましたが、夜間という事もあり変更に。
現在は消灯後「淡路島南PA」を最後に、早朝の足柄SAまで乗客用の休憩はなくなりました。(ただし二人乗務のため、途中交代でSAに停車します。私は熟睡していたため、気づきませんでした。笑)
また運行開始時はSAに到着した時でないとトイレに行けませんでしたが、現在は走行中も行くことができます。
ただ、上段の人は下に降りないといけないので正直「気を付けないと転倒しそう」と感じました。トイレが近い方は、下段を予約するのがいいかもしれません。
なお、新宿バスタ到着前は信号やカーブが多いため、トイレなどの車内移動は控えるようにアナウンスがあります。
新しいバスで運⾏会社の苦労はあるのか。担当者に質問してみました!
せっかくの機会なので、ソメイユプロフォンにまつわるお話を、担当の方に聞いてみました。
Q:日本初の新しいバスの運行で苦労されていることはなんですか?
A:今までの夜行バスと違い、枕カバーの交換等、新たな作業が増えています。また、車内が全体的に狭く、座席下や壁に座席との隙間などに、落とし物や忘れ物も多く、確認作業に時間がかかっていると担当乗務員から意見が上がってきています。
Q:降車時に乗客の方へお願いはありますか?
A:降車時に携帯電話や充電器などの忘れ物が多くなっています。今一度忘れ物がないか確認をお願いいたします。実際の乗車中にも停留場前で忘れ物の確認をするアナウンスを入れていますが、それでも忘れ物が見つかるケースがあります。特に旅行中に財布やスマホなどを落とすと大変なので降車の際には忘れ物の確認を再度お願いしたいです。
Q:荷物などは車内に持ち込むことができますか?
A:他の夜行バスよりも狭く、大きな荷物はトランクに預けていただく形となります。必要なものをショルダーバッグや紙袋などに入れて乗車していただければ、座席内に置くことができます。
※筆者は、紙袋に飲み物や携帯電話、充電器を入れて乗車しました。小さな荷物なら座席に置いていてもあまり負担にならず快適に過ごせました。
Q:上段の方にお願いはありますか?
A:上段の方はスマホなどを落とすと下段の方に当たりケガの危険があるので、物を落とすことが無いように利用をお願いします。実際の運行中も注意するようにアナウンスをしておりますが、隙間などから落ちないように気をつけてのご乗車をお願いいたします。
Q:夜間のスマホ利用について
A:現在、モニター運行中のアンケート調査では、ほとんどの方が移動中にスマホを利用していると回答されています。調査結果では約8割の方が利用していました。夜間の走行中は騒音などが他のお客様には迷惑となりますので、音楽を聴く際はイヤホンなどをして音漏れが無いようにお願いしたいです。
Q:今後、改良していくことはありますか?
A:現在の「ソメイユプロフォン」には充電用のコンセントがありません。なので、コンセントを設置したいと思っています。ただし、バスの座席上コンセント設置は少し難しくお客様にはお待ちいただいている状態です。モバイル充電器をお持ちいただけるととても助かります。
Q:上下で料金が変わることがあるのか?
A:現在、料金面も上下が同じでいいのかなど、検討しています。モニター運行時でもお客様から意見をいただきますので、それを参考にしたいと考えています。
ソメイユプロフォンの基本情報
ここからは「ソメイユプロフォン」の基本情報をご紹介します♩
―料金
【普通運賃】
一席:7,300円(7月頃までのモニター運行時のプロモーション価格)
※モニター運行中は座席の指定不可
※予約状況により金額は異なりますが、通常運行開始後は14,000円前後を予定
\ 特別運賃サービス実施中!/
開業記念として、モニター運行中は一席:7,300円と格安です!
※モニター運行中は座席の指定不可
料金の比較 | 高速バス | 列車 |
片道料金 | 7,300円 | 20,640円 |
往復料金 | 14,600円 | 41,280円 |
時間 | 約11時間半 | 約5時間50分 |
ソメイユプロフォンはまさに”走るホテル”!!費用が浮くので、節約にもなりますね。
―予約方法
「発車オーライネット」からのみ、予約ができます!
>>「発車オーライネットへ」
―運行日
現在は週1往復
月曜日に高知発ー東京行き、火曜日に東京発ー高知行きとなります。
※通常運行開始後は、週4便を計画
―公式サイト
その他詳細は公式サイトよりご確認ください。
>>「ソメイユプロフォン」公式サイトへ
ソメイユプロフォンに乗り、まだ知らない東京・高知を探しにいこう。
東京から高知へ来られる方へ。
高知には定番のカツオのタタキに仁淀ブルーなど高知には自然がいっぱい!
「ソメイユプロフォン」で高知へ行くとゆっくり寝れるので、到着後から高知観光をすることができますよ。
高知から東京へ行かれる方へ。
「最近は東京の宿泊費が高い!」という話も聞きます。「ソメイユプロフォン」を利用することで、宿泊費を浮かすことができます!
通常、高知ー東京間は、飛行機や新幹線を使用しても着くのは10時過ぎ。しかしソメイユプロフォンなら早朝に東京都心へと到着することもできます!
ぜひ皆さんも一度利用してみてはいかがでしょうか?
※本記事に掲載されている情報は、記事作成時点の情報となります。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。※バス車両撮影時には、十分に配慮して撮影を行っております