【後編】ここは天国?!バスで行く初夏の上高地 おすすめのハイキングコースやホテルをご紹介

上高地
「上高地」は、長野県松本市にある標高約1,500mの山岳景勝地です。今回はそんな上高地にバスで向かい、日帰りハイキングをしてきました!後編ではおすすめのハイキングコースやホテルについてお伝えしていきます。前編の記事と合わせてご活用ください♩

まずは確認。おすすめのハイキングコース

上高地は東西南北に広がっているので、事前にコースを決めておくのが吉!というわけでまずは、おすすめのハイキングコースをご紹介します。

上高地で最も有名なスポットと言えば「河童橋」ですが、↓の地図を縮小すると分かるとおり、ほかにも見るべき場所がたくさんあります。

特にこの6か所は、筆者的必見スポット!

・大正池
・霞沢岳押出し
・田代湿原、田代池
・河童橋
・明神橋
・明神池

河童橋のある「上高地」バス停で降りるのもいいですが、ハイキングをしたい場合は少し効率の悪い歩き方になってしまいます。ハイキングもすべての必見スポットも楽しみたいなら、「大正池」で降りるのが正解!そこから北上していきましょう。

おおよそのコースはご覧のとおりです。

次の章からコースの順番ごとに紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

初夏の上高地ハイキングに出発!

大正池からハイキングを開始します。各スポットの絶景をお見逃しなく!

↓ 必要な持ち物、服装、バス情報が分かる!【前編】がご覧になりたい方はこちら ↓

①「大正池」バス停に到着

早朝5:30松本バスターミナル発のバスに乗り、6:56に「大正池」バス停に到着しました。付近には公衆トイレや売店、自動販売機、コインロッカーなどがあります。この先しばらくはこれらの設備がないので、心配があれば立ち寄っておくと◎。

②大正池を眺める

大正池

「大正池」は、バス停から左に伸びる坂道を降りて行ったところにあります。湖面に写る穂高連峰は、息をのむ美しさ。小鳥のさえずりも相まって、非常に心が癒されます。バスを降りてすぐにこんな景色が待っているとは予想していなかったので、思わず涙が出そうになりました。

大正池

大正池は、大正4年の焼岳大爆発で梓川がせき止められ、一晩でできた池なのだとか。爆発によって美しい池が生まれるとは、なんだか不思議ですね。

大正池

ちなみに気温差の激しい夏場は、大正池で「朝もや」が見られるのだそう。朝日が完全に昇る前の光景なので、見たい方は周辺施設に宿泊するのがおすすめです。

③霞沢岳押出しで朝食タイム♩

上高地遊歩道

大正池を満喫し、次の場所へ。上高地は歩道が整備されているので快適に歩けますし、道に迷う心配もありません♩次はどんな絶景が待っているか、楽しみです。

霞沢岳押出し

到着したのは「霞沢岳押出し(かすみざわだけおしだし)」。大正池の北端であり、霞沢岳から押し出された砂礫(されき)が積もってできた扇状地形です。 ここで見るべきは梓川の透明度。

上高地

見てください、この透き通った美しい水を。思わずすくって飲んでみたくなります。エメラルドグリーンの輝きも素晴らしいですよね。あまりに魅了されて長居したくなったので、流木の上でひと休み。

ムラタ

朝早くにホテルを出たので、朝食を逃していた筆者。しかし実は、あるパンを持参していました。それが、松本駅前にある「手作りパンの店 ムラタ」の「牛乳パン」♡(前日の夕方購入して、ホテルで冷やしていました。)

牛乳パンは長野を代表するご当地パンだそうで、ずっと前から食べてみたかったんです♩川の景色と小鳥のさえずり、そして口いっぱいに広がるふかふかのパン。この組み合わせは、言わずもがな最高すぎました。みなさんもぜひ試してみてくださいね。

④ハイジの声が聞こえるかも?田代湿原

田代湿原

腹ごしらえを終え、再び出発!普段はすぐに腰の上がらないアラサーですが、先々の景色が楽しみすぎて、すっと立ち上がることができました。続いての目的地まで、再び遊歩道を歩きます。レンゲツツジやシラカバの木が何とも避暑地らしく、心に涼しい風が吹きます。

田代湿原

到着したのは「田代湿原」。季節の草花が一面に広がり、深呼吸するだけで心が浄化されていきます。雪の積もった山々のおかげか、本当にアルプスにいるよう。楽しくブランコを漕ぐハイジの声が聞こえてきそうです。

⑤日本近代登山の父が愛した田代池

田代池

湿原から右に向かって進んでいくと、今度は「田代池」があります。田代池は、日本アルプス・上高地を世界に称賛し、行楽としての登山を広めた日本近代登山の父・W.ウェストンが愛した池としても知られています。「池=灰色、深緑色」というイメージを持っていた筆者ですが、あまりの透明度と、絵画を眺めているような木々のバランスに感激してしまいました。

⑥分かれ道を選び、田代橋へ

上高地

田代池から田代湿原に戻り、歩を進めます。しばらく歩いていくと、分かれ道に遭遇。休日といえどハイキングコースには人の少ない上高地。後をついていけそうな人もおらず、一人での決断にドキドキ……。クマが怖い筆者は、「梓川コース」へと進むことに決めました。

上高地

梓川コースは梓川にほど近いので、途中で水辺に降りていくこともできます。何度見ても飽きないですし、何度見てもきれいですね~。

田代橋

20分ほど歩いて田代橋に到着。この橋は長野県産の木材のみで組まれた橋なんだそう。趣がありますね。上流側には穂高連峰、下流側には焼岳があるので、好きな向きで記念撮影しておきましょう。私は下流側をセレクトしました♩

⑦上高地の観光名所 河童橋

上高地

田代橋を渡るか渡らないかで、再びコースが分かれます。私は橋を渡らず、来た道を直進していくことに。なおこちらのポイントには、2つ目の公衆トイレがあるので、忘れずに利用しておきましょう!

上高地

梓川沿いを歩いていくこと約30分。段々と人の姿が増えてきました。そろそろ上高地のシンボルともいわれる「河童橋」に到着するようです。

河童橋

「河童橋」は、幅約3.1m・長さ約36.6の吊橋。芥川龍之介の風刺小説「河童」にも登場する、知る人ぞ知る名橋です。ここから見える穂高連峰の眺めは実に見事。ポスターや写真で見るより肉眼で見る方が、何倍も美しく見えます。

「上高地バスターミナル」が近くにあることもあり、このあたりにはお土産ショップや飲食店が充実。私もベンチに腰掛けて、ちょっぴりひと休みしました。

⑧元気があるうちに歩いて行こう!明神橋

上高地

河童橋周辺は誘惑だらけで、つい長居してしまいました。しかし、時刻はまだAM9:30。お昼にもハイキングを終えるのにも早すぎるので、もうひと踏ん張りしてさらに奥地へと進んでいくことに。

ここから次の目的地「明神池」までは約45分ほど。長い戦いになりそうですが、きっと素晴らしい景色が待っているに違いありません。というわけでレッツゴー!!

上高地

私が歩いたのは「梓川左岸道」。「右岸道」もありますが、左岸道+25分の所要時間が必要なので、体力に自信がない方は「左岸道」がおすすめです。

道中では素敵な出会いもありました。サルたちは人間慣れしているようで、近くを通りすぎていったり、座って毛づくろいをし始めたりして、とってもキュート。大変癒されました。※エサなどは与えず、優しく見守ってくださいね。

頑張って歩き続けること45分。まずは「明神橋」に到着です。河童橋に比べて人が少ないため、橋からの絶景をより満喫することができます。

⑨⑩筆者的No.1絶景スポット!明神池

明神池

明神橋を渡り10分ほど歩いていくと、「穂髙神社奥宮」の鳥居が見えてきます。一礼して中に入り、500円の拝観料を払って「明神池」へと進んでいきます。

穂高神社

明神池は、一之池と二之池の大小2つからなる池。上空から見ると、ひょうたんのような形をしています。

明神池

まず見えてくるのは「一之池」。カラマツの森に囲まれた一之池は、予想以上の大きさです。長く伸びた桟橋、その先にぽつんと置かれた賽銭箱、お祭りに使われる2艘の赤い船、周囲の景色を反射する池。すべてが美しさを高め合い、心を魅了します。

上高地

少し左に進むと、空を反射した様子を眺めることも。語彙を失うほどの美しさに、しばらくぼーっとたたずんでしまいました。

明神池

左奥には「二之池」もあります。こちらはこちらで圧巻の造形美。自然に置かれたとは思えないほど見事な岩石の配置に、神様の力を感じざるを得ません。

ここまで思った以上に遠くて少し疲れたけれど、足を運んで本当によかった……!

◎穂高神社奥宮の基本情報

拝観時間 6:00~日没まで(シーズン中無休)
住所 長野県安曇上高地
電話 0263-95-2430
※冬季 0263-82-2003
拝観料 大人500円/小中学生200円
公式サイト 穂高神社奥宮の詳細はこちら

⑪ウェストン碑にごあいさつ

ウェストン碑

明神池の絶景をあとにし、来た道を降り返すこと約1時間。「ウェストン碑」にやってきました。日本アルプスや上高地が世界的に有名になったのは、このW.ウェストンさんのおかげなんだとか。彼がいなければ、私がここにいることもなかったのかもしれません。感謝感謝です。

⑫上高地ルミエスタホテルの温泉&ランチに癒される

上高地ルミエスタホテル

ウェストン碑から歩くこと約1分。雰囲気のあるホテルが見えてきました。本日のランチはここ、「上高地ルミエスタホテル」でいただきます♩

上高地ルミエスタホテル

上高地ルミエスタホテルを選んだ理由のひとつは、テラス席でランチができること。もちろんホテル内のレストランでランチコースをいただいたり、アラカルトメニューをいただいたりもできますが、一人で気兼ねなくランチをするにはこちらがうってつけでした。

上高地ルミエスタホテル

テラスでは、自家製サンドや自家製バーガーをいただくことができます(※)。この日はシェフ自慢のローストビーフが入った「ローストビーフサンド」を注文。

このローストビーフ、ギフト用に購入して帰る方がいるほど人気だそうですが、食べてみてその意味が分かりました。お肉の旨みと脂の甘みがじゅわーっと広がって、すごく美味しいんです。一見ハードに見えるパン「チャバタ」も、もっちりしていて具材とよく合う!ぺろりと完食です♩

※日によって内容が異なります。

上高地ルミエスタホテル

上高地ルミエスタホテルを選んだ理由はもうひとつ。なんと源泉かけ流しの天然温泉に入れるんです!上高地で天然温泉に入れるのはたったの2施設だけ。筋肉痛や疲労回復にも効果のある温泉に入れば、パンパンになった足を癒すことができます。日帰り入浴の利用者にはタオルセットが渡されるうえ、アメニティが充実しているのも嬉しいポイント。

※特別な許可を得て撮影しています。

上高地ルミエスタホテル

お風呂上がりは再びテラスへ。景色を眺めながら乗る椅子型のハンモックが最高に気持ちいい~。このままずっとおやすみしていたくなりました。

◎上高地ルミエスタホテルの基本情報

営業時間 レストラン 11:30~14:00(ラストオーダー13:20)
※レストランは3日前までの予約が必要です
テラス&ラウンジ 10:00~15:00(ラストオーダー14:30)
日帰り温泉 11:00~13:00(最終受付12:30)
住所 長野県松本市安曇4469-1
電話 0263-95-2121
料金 日帰り温泉
大人2,200円(税込・入湯税込)
小人(12歳まで)1,100円(税込・入湯税免除)
公式サイト 上高地ルミエスタホテルの詳細はこちら

★上高地ルミエスタホテルはお泊りにもおすすめ!

上高地ルミエスタホテル

日帰り利用も魅力的な上高地ルミエスタホテルですが、ホテル利用はさらに魅力的!絶景をひとり占めできる客室や、大浴場・露天風呂・家族風呂・各客室で楽しめる天然温泉、フリードリンクやライトスナック、書籍が置かれたロビーなど、館内施設がかなり充実しています。

さらにこのホテルは“星がきれいな宿”としても知られており、夜は満点の星空を眺めることも。上高地でのホテル選びに迷ったら、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか?

⑬河童橋を眺めながら乾杯!上高地バスターミナルへ

上高地タップ

いよいよ旅も大詰め!帰りのバスに乗るため、河童橋に戻ります。バスターミナルに向かう前に、頑張った自分にご褒美を。

選んだのは地元「MATSUMOTO BREWERY(松本ブルワリー)」が手掛ける「KAMIKOCHI SESSION IPA」というクラフトビール。柑橘系の爽やかな味わいから、女性に人気のある一杯です。

上高地タップ

まずは一口。鼻に抜ける爽やかな香りと、飲んだあとの清涼感がすごい!

酔わないように、ゆっくり、じっくり飲むはずが、美味しくてゴクゴク飲み干してしまいました。心なしか体も喜んでいる……!最高のご褒美でした。ごちそうさまでした♩

◎KAMIKOCHI BEER STAND 河童橋TAPの基本情報

営業時間 11:30-16:30
7月中旬〜8月末は連日営業
(その他の期間は土日営業)
11月中旬完全クローズ
住所 長野県松本市安曇上高地4468(五千尺ホテル上高地売店店頭)
電話 なし
公式サイト MATSUMOTO BREWERYの詳細はこちら

上高地バスターミナルから松本へ

上高地バスターミナル

河童橋から約5分。「上高地バスターミナル」は上高地で一番大きなバスのりばです。

上高地バスターミナル

周囲には「上高地観光センター」と「上高地インフォメーションセンター」があり、お土産を買ったり、ベンチに座ったり、ご飯を食べたり、靴を洗ったりといろいろな用事を済ませることができます。松本行きのバスは4番のりばから出発。時間になると、アナウンスもあります。

新島々バスターミナル

帰りのバスは行きと違い、「新島々バスターミナル」で電車に乗り換え。バスの乗車券で電車に乗って帰れるなんて、ちょっぴり得した気分ですね♩バスと合わせて約1時間30分で松本駅に到着です。お疲れ様でした。

この夏は、絶景・上高地に遊びに行こう!

アルピコバス

いかがでしたか?今回は前編と後編に分けて上高地へのバス旅レポートをお届けしました。上高地は、天国にいる気分になれる、珠玉の絶景スポットです。難しそうなアクセスも、バスを使えばラクラク♩シーズンを終えてしまうと行くことができないので、気になる方はぜひお早めに、上高地に遊びにいってみてください。

松本バスターミナル発 ナショナルパークライナーのご予約はこちらから>>

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※本記事に掲載されている情報は、記事作成時点の情報となります。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。※バス車両撮影時には、十分に配慮して撮影を行っております。

ライター

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ずんちゃん

喫茶店と猫と自然をこよなく愛するトラベルライター。バスレポ取材時の必須アイテムは「酔い止め」と「いも恋」。優しい運転手さんに出会えるとやる気がみなぎる。もっともっとバスの魅力を届けたい!

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